《RELAX》「莫大小猫奇譚」無事、初日を終える。
2008年 05月 15日
展示作業をしていると、役者さんたちがぽろぽろやってきて写真を眺め感想を言い残してゆく。若手の役者から「うわー、僕をこんなにかっこよく撮ってくれてありがとうございます」と感謝される。いえいえ、わたし魔術師ではないので、ないものは撮れません。これは君が発した表情なんだよ。どれもこれも「あっ」と思って撮った表情。それは正真正銘、たしかにあった一瞬。
この展示を見るのは基本的に舞台を観にきたお客さんだから、説明的な写真は一切撮ってない。それは舞台を観ればわかることだから。稽古場の至近距離でしか撮れないような、シーンというよりそのシーンにおける役者自体を撮ったものばかり。だからどのシーンの写真かわからないものもたくさんあると思う。舞台写真の王道からは外れているかもしれないけど、そういう写真を撮り重ねてロビーにずらーっと並べたかったんだ。わたしだったらそういうのが見たいなって思ったし。
初日の舞台はロビーでスタッフたちと聴いていた。声と音楽だけの舞台鑑賞したわけだけど、それでも随分いろいろなことに気付く。ああ、福岡さんと小山さんの声には潤みがあるなあ、白井くんの声ってすごく色気がある、等々。公演期間中可能なかぎり会場に足を運ぶつもりだから、いろいろな形で舞台を感じることになりそうだ。
たくさんの拍手が聞こえてきて無事初日の舞台終了。数名のお客さんから写真の感想をいただいた。ほかの劇団の役者さんが殊更熱く感想を語ってくれたので、今回の写真のコンセプトを伝える。この舞台からわたしはこういうことを感じたのでそれをテーマにまとめてみたんです云々かんぬん。言わずもがなのことで、見た人がめいめい何か感じてくれればそれでいい話なんだけど、その人が「いちばん気に入った写真」と挙げてくれたものがそのテーマに関わってくる写真だったので、思わずわたしも熱く話してしまった。そのままロビーで初日打ち上げ。いいテンションと初日が無事迎えられた安堵が取り巻く。こういう熱気の中にいるのはすごく心地いい。脚本演出のEMIさんともいろいろ話す。台詞にこめられたEMIさん自身の思いなども。はっとすることもたくさんあった。
写真で飯を食っていくことを夢にかかげたときに、関わってみたいジャンルのひとつに演劇があった。演劇に落語にライブに。板の上で勝負をかけている人たちが放つキラキラに魅了され続けている。いつまでも何度でも、わたしの心に虹をかけていって欲しい。焦がれるような気持ちでいつまでもそこの住民たちにカメラを向け続けたいって、また今回も強く思った。初日、おめでとうございます!
《RELAX》第13回公演「莫大小猫奇譚」
5月14日(水)〜5月18日(日) 品川六行会ホール(03-3471-3200)
チケット問い合わせ・・・「ぴあ」(0570-02-9999)もしくはオフィス《RELAX》(03-3974-9966)まで。
開演時間・・・14〜16日は19:00、17日は14:00と19:00、18日は15:00から。
前売り3000円 当日3500円
ウェブサイトを更新しました!2007年夏の旅ももうあとわずか。和歌山は雑賀崎を訪れた夏写真の数々です。http://www.mu-cyo.com/