「日本橋夜のひとり噺第五夜〜入船亭扇辰の会〜」
2009年 08月 24日
イラストレイターであり着付けの先生でもあるOさんと電話で話しながら目黒川沿いの道を歩く。来春の友人の結婚式に着物で行こうと思い、ちょっと前からあれこれ物色と吟味を繰り返していたのだが、とうとう「これぞ!」という反物にめぐりあったので、初の礼装着物で勝手がわからないこともあって、Oさんにお伺いを立ててみたのだった。
「いいんじゃないー、これ。こないだの袋帯にも合うわよ。椿の柄は着られるシーズン長いしね」と。よかった。柔らかい黄色系のものを探せどなかなか出くわさず、できれば大人かわいい着物がいいなと思えど礼装ってなかなかかわいいものがなく、不意に大阪の呉服屋のオンラインショップをのぞいたら、鉄紺の地色にかわいらしく椿が描かれた付け下げに出くわしたのだった。あとは頃合いをみて仕立てに出せばよい。そして友人が破談にならぬよう願おうではないか。
夕方まで作業をし夜は日本橋へ。扇辰師匠の会の撮影に入らせていただく。
開口一番 辰じん 「寿限無」
ほたる 「反対俥」
扇辰 「藁人形」
扇辰師匠と瀧口雅仁氏による対談
仲入り
扇辰 「野ざらし」
扇辰師匠の狂気を帯びた目の光がとても魅力的!と高座に接するたびに感じ入る。いろいろな方で何度も聴いて筋をわかっている噺でも、扇辰師匠が語るのを聴くとその先に狂気が待っているような気にさせられる。だから陽気すぎる妄想狂の男が主人公の「野ざらし」は最高に面白い。振り切れぶりが秀逸、見事。とても演じているとは思えない。
会がはねた後はスタッフのHさんとお客で来ていた(きのうも逢ってさんざんおしゃべりした)Wさんと三人で島根のアンテナショップ一階にある居酒屋へ。店員男子は松江出身だそうで、「隠岐に二度行ったことがある」と言ったら驚かれた。そして飲み食いしながらずーっと、実にずーっと落語トーク。Wさんは既婚者だが、Hさんは20代後半のうら若き女子、わたしはすっかり行き遅れた30代半ば女子。いつもいつも落語トークばかりで、そういや色恋話のかけらも出ない。お互い落語のほうが現実的で色恋が遠い日の花火になってしまったのかもしれん。嗚呼。
今日も行ってみようかな^^。
久しぶりに扇辰師匠をじっくり聴き、こちとらは落語大好き夫婦と神田方面へ。
懐かしい話から、現在進行形までの全編ほぼ落語トーク。
帰りに駅でぼんがさんと遭遇。しばしの間、マニアックトーク。
会の時間よりずっと長いのはいつものことか。