フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


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灰の果て、太陽のブルース。

 なんのことはない。朝から晩まで働き尽くして矢吹丈の如く真っ白な灰になった、という由。初めましてのクライアントだったので、いつも以上にテンションを上げていた気がする。ゆえに疲労困憊、そうでなくても常にテンション高いのに。

灰の果て、太陽のブルース。_a0025490_1125010.jpg 朝から目黒のハウススタジオで始まったモデルとタレントの料理絡みの撮影は夕方に終了。今日はこれで閉店しようかと思っていた矢先、6日のロケハンが延期になったと電話が入る。ということは、だ。今日頑張って作業を進めれば6日の日中はフリーダムを満喫できるのだ。明日は午前中と午後に撮影が一本ずつ、夜はバイオリンのコンサートに顔を出すために、6日にやるつもりでいた作業を今夜中に終わらせた。バンザイ!

 あんな日もこんな日もデスクワークのおともはやっぱり「くるり」。今日はアルバム「TEAM ROCK」と「魂のゆくえ」を交互に流す。名曲「太陽のブルース」を聴くとどういうわけか泣けてくる。フレーズと思い出がかぶって涙、ってわけじゃない。「永遠」とか「一瞬」とかいう言葉の使われ方に参るのかもしれない。が、帰りの道々なんでだろうと考えていたらひとつの短編小説にたどりついた。

 夏目漱石「夢十夜」の中の「第一夜」。このとても短い物語がとてつもなく大好きだ。初めて読んだときからずっと心に留まり続けている。あくまで私感だが、この作品と「太陽のブルース」とに相通ずるところがあり、どうやらこの物語に触れるときと同じ心持ちを「太陽のブルース」を聴いたときにも抱くようなのだ。

灰の果て、太陽のブルース。_a0025490_1122713.jpg いつもの最終バスより少し早いバスで帰宅。いちばんのラーメン屋「こましょう」の暖簾が珍しくまだ出ていたので、随分と久しぶりに寄る。オープン当初から二年くらい前までは頻繁に行っていた。この店の主は夢の遊民社の役者さんだった人で、オープンのときには舞台役者さんたちからの祝い花が店頭にあふれていた。行くと決まってカウンターの隅で某俳優が飲んでいたりする。元隣人の井澤さんも、舞台役者つながりでバイトしていた時期があった。そんな縁もあって食べに行くと決まって「きしこちゃん(=井澤さん)元気にしてる?」と訊かれたものだ。だいぶご無沙汰だったから憶えてないかなあと思ったら、ちゃーんと憶えていてくれた。なんか嬉しかった。そしてここのラーメンはやっぱりうまい。

 主の顔を見たら井澤さんと娘の心ちゃんにとても逢いたくなってしまった。そうだ、今度の日曜日はこれといった予定も入れてない。この日を逃すとまた怒濤の撮影ラッシュで、当分ぼんやりできそうもない。なら・・・逢いに行ってこようか、蒲郡の井澤母子に。逢ってめいいっぱい写真を撮りたい。思い立ったらなんとやらで、夜分にもかかわらずメールを入れてみた。明日返事くるかな。空いているといいんだけど。日帰りだけど、再び蒲郡プリンスホテルでお茶をして、竹島をぶらぶらしたい。
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by naomu-cyo | 2009-11-05 01:13 | 音楽 | Comments(0)