フォトグラファーの武藤奈緒美です。日々感じたことや思ったことを、写真とともにつれづれなるままに。


by naomu-cyo
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減らない新聞

 ここのところ家でゆるりと過ごす時間が皆無だったため、新聞が溜まり放題になっている。きのうは中休み、今日は天気不良でロケ撮影がばらしになり、久しぶりに新聞を読んだ、11月になりたての頃のものだけど。一面や社会欄、スポーツ欄などはネタとしてすでに古びてしまっているが、興味のあるものは後追いでも目を通す。連載もののコラムやエッセイ、小説の類いにはじっくり目を通す。けっこうこの類いが充実しているのだ、毎日新聞って。

 西原理恵子の日曜日掲載の漫画「毎日かあさん」読みたさに購読を始めたけれど、ほかの執筆陣も充実している。林真理子の連載小説に加え、吉本ばななの「もしもし下北沢」の週一連載も始まった。野坂昭如・古井由吉・篠田節子・立川志の輔・香山リカの連載も毎回楽しみで、欠かさず読んではふむふむ言っている。そして日曜日の「俳句と青春」。俳人の仙田洋子さんの回が殊に好きだ。この人の青春への賛歌や郷愁が行間からにじみ出た文章に共感を憶えることもたびたび。
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 つい先日読んだものでは、高校時代に取り組んだ芝居に触れていた。「愛しい一瞬一瞬を永久にとどめておきたいと願うのに(中略)時間とともに色褪せてゆく。芝居という表現様式の根本的な虚しさに直面したような気がした」ので、「もっと永続性のありそうな俳句の世界に入った」という。中村草田男「泉辺の/われ等に遠く/死は在れよ」、加藤楸邨「生きてあれ/冬の北斗の/柄の下に」の二句を引用し、「生きている・・・それだけで十分だ。いつまでも残るものなど何もない。だからこそ、軽やかに生きられる。残るか残らないかよりも没頭する時間が大切だ」と思うようになった、と述べられていた。「没頭する時間」をしっかりもてているだろうか?いつも集中力を切らしてはいまいか?・・・今回は自分に対しそう問いかけ、しばし生活を考えた。最近は自分で勝手にこしらえたペースに埋没してしまっていると気付く。

 エッセイやコラムは書き手の考えを知るのみならず、自分の考えや現状を知るのにもひと役買ってくれる。で、あたしはどう思うんだ?どうしたいんだ?・・・どんなに溜まる一方でも、目を通さないままに資源ゴミに出しちゃうわけにはいかんのだ。
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by naomu-cyo | 2009-11-14 01:33 | フォトダイアリー | Comments(0)